免疫細胞療法

免疫

免疫

免疫は「疫」すなわち病原体などから「免れる」仕組みのことを言います。
私たちは常に病原体や毒物のように外から侵入するものやがん細胞などのように体の中で有害な変化を起こすものなどのたくさんの脅威にさらされています。
その脅威から免れる仕組みは大きく分けて3つの関門からなります。

免疫細胞

免疫細胞は主に白血球に存在し、免疫システムの中心的な役割を担っています。
白血球はその機能や形態でさらに細かく分類されます。
その中でも、免疫細胞療法で利用する細胞は単球(樹状細胞、マクロファージ)とリンパ球になります。

免疫細胞とがん

自然免疫の働き

がん細胞が存在すると、樹状細胞、NK細胞、γδT細胞が動き出します。これらの細胞は自然免疫と呼びます。
樹状細胞はがん細胞の破片を取り込み、その情報を得て、ヘルパーT細胞やキラーT細胞にその情報を伝えます。
NK細胞はがん細胞を非自己の異物として認識し、攻撃します。
γδT細胞はがん細胞が持つ多くの目印から、がん細胞と認識し攻撃します。

獲得免疫の働き

ヘルパーT細胞やキラーT細胞を獲得免疫と呼びます。
情報を得たヘルパーT細胞は細胞間情報伝達物質であるサイトカインを放出し、キラーT細胞などの他の免疫細胞に攻撃や増殖の指令を出します。
樹状細胞やヘルパーT細胞から情報・指令を受け取ったキラーT細胞は情報と2つの目印(HLA/がん抗原)をもとにがん細胞を認識し、攻撃します。

第4のがん治療

第4の治療

がん患者さんやがん難民の方は、がん治療に対し、治療効果がある、苦しみたくない、入院したくないなどの要望をもっています。
標準治療は、治療効果が高いものもありますが、苦しみや入院などは拒否することが出来ません。
しかし、患者さんを主体として治療を考える時代になった今、患者さんの要望を簡単に切り捨てることは出来ません。
そこで、その要望を満たす治療法として誕生したのが第4の治療、免疫細胞療法です。
免疫細胞療法は体に優しく、患者さんのことを第一に考えた治療法です。

免疫細胞療法

免疫細胞療法はもともと体内にある免疫細胞を体外で増殖・活性化させ、再び体内に戻す治療法です。
免疫細胞を増殖・活性化したものを体内に戻すことにより、がん細胞を殺傷する免疫の力が高まります。
患者さんご自身の採血による免疫細胞を利用する治療法のため、副作用はありません。
治療は採血と点滴(または皮下注射など)のため、入院の必要がありません。

免疫細胞療法サイクル

免疫細胞を増殖・活性化させることを「培養」と言います。
培養期間は、免疫細胞療法の種類によって異なりますが、約1~2週間必要です。

患者様より、採血 → 増殖・活性化 → 点滴 のサイクルを繰り返します。
採血 → 増殖・活性化 → 点滴 のサイクル
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