がん治療

がんの現状

日本で最も死亡率の高い病気

日本人の3人に1人はがんで亡くなっています。その死亡率は年々増え続けています。日本人の三大疾病と言われる「心疾患・脳血管疾患」は変動があり、死亡率が改善している年も見受けられます。しかし、がんは右肩上がりで推移し、1981年以降、現在に至るまで死亡率はずっとトップで改善がまったく見られません。
主な死因別にみた死亡率の年次推移主な死因別にみた死亡率の年次推移出典:「平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)

日本で最も死亡率の高い病気

出典:「平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)

日本のがん予防対策

日本のがん予防対策は、早期発見です。がん検診の充実を推奨していますが、未だがん検診の受診率が低く、早期発見出来ていないのが現状です。がんはとても身近な病気で、毎年約65万人の方にがんが見つかっています。男性の場合2人に1人、女性の場合は5人に2人ががんに罹っています。

がんが発症する理由

どんな健康な方でも毎日がん細胞が発生している

ノーベル医学・生理学賞受賞者のフランク・バーネットらの研究によると、どんなに健常な方でも、毎日約3000個のがん細胞が発生しているそうです。それでも、健常の方ががんを発症しないのは、免疫のシステムが働いて、がん細胞を駆除しているためです。すなわち、免疫のシステムが衰えてくると、がん細胞を駆除出来ず、がんを発症してしまいます。免疫のシステムの衰えは加齢によるものが多く、高齢者にがん発症が多い原因の一つとなっています。

どんな健康な方でも毎日がん細胞が発生している

がんの発生 ~多段階発がん説~

生体が発がんするまでには、正常細胞がいくつかの段階を経てがん細胞へ変化してゆく過程があると考えられており、この一連の過程を多段階発がんといいます。
1段階目は、発がん物質(イニシエーター)によって細胞の遺伝子が障害を受け変異を起こす段階(イニシエーション作用)とされ、2段階目は、プロモーターと呼ばれる物質や他の発がん物質による作用で障害を受けた遺伝子を持つ細胞が増殖する段階(プロモーション作用)とされます。 ここまでの段階で、細胞はがん細胞に変化しておらず(前がん状態)、増殖要因となる物質を摂取しなければ、細胞が有している修復機構が働き、元の正常な状態に戻ったり、淘汰されたり(アポトーシス)、あるいは、そのままの状態(悪化しない)を維持すると考えられています。2段階目以降に、再度遺伝子に障害等を受けた場合、細胞は「がん化」します(プログレッション作用)。一旦がん化した細胞は、そのままでは正常細胞に戻ることはありません。

  • 発がんイニシエーション(作用)(Initiation Action)

    発がんの最初のステップのことをイニシエーション(Initiation)といいます。通常、細胞の持つ修復機能や、細胞自体が消滅すること(アポトーシス)でほとんどの傷のついた遺伝子は問題になることはありません。しかし、まれに化学物質や放射線などによって引き起こされたDNA損傷が修復されず、突然変異として遺伝子に固定され、腫瘍発生に関与する遺伝子に機能異常をもたらす(遺伝毒性)過程を指します。イニシエーションを起こす物質をイニシエーターと呼びます。

  • 発がんプロモーション(作用)(Promotion Action)

    それ自身が発がんを引き起こすものではなく、他の発がん物質による発がん作用を促進する作用をいいます。プロモーション作用がある物質をプロモーターといいます。一般的にプロモーターが消失した場合、イニシエーション作用を受けた細胞の増殖を促す作用も無くなると考えられています。プロモーション作用を有するものとして、食塩等の食品も知られています。

  • 発がんプログレッション(作用)(Progression Action)

    イニシエーションを受けた細胞がプロモーターの影響下に増殖しているとき、重要な遺伝子異常が生じると、細胞は腫瘍性変化を起こします。このステップをプログレッション(Progression)といいます。

がん細胞の特徴

  • 寿命がない

    正常の細胞のテロメアは細胞分裂を繰り返す毎に短くなり、細胞分裂が出来なくなる命のローソクの様な物です。しかし、がん細胞は染色体の端にあるテロメアをテロメラーゼで伸ばして、不死化します。

  • 浸潤する

    がん細胞は直接まわりの組織に染み込むように広がり(組織浸潤) します。手術の際には安全域を見込んで、癌と周辺組織も切り取ります。

  • 転移する

    がん細胞は、もとの組織から離れて、リンパ管や血管を経て飛火(組織転移)します。転移は、がんを治しにくい原因の一つとなっています。

  • 嫌気性

    ミトコンドリアが少ないことから、エネルギー産生が低酸素呼吸の解糖系に由来し、グルコース(糖)を栄養源にする。